「1年から右顎がずれるようになり、自分で動かして治していた。昨日、ずれが治らなくなり口も開かなくなった」という経過で、来院されました。右側顎関節症 ClassⅢ クローズドロックと診断し、徒手にて右側顎関節のロック解除を試みました。しかし、最大開口量に変化はみられませんでした。また、ロック解除を試みた際に顎関節よりも明らかに前方の位置に痛みが生じました。
聴診器で顎関節より前方部を聴診し、右側筋突起過形成・過成長が開口障害の原因だと判明しました。この場合は筋突起切除術が必要となります。
吉川文弘, 松本憲, 樋口均也, 辻野元博, 南克浩, 森悦秀, 作田正義. (1989). 初診時に顎関節症と診断された両側性下顎骨筋突起過形成の 1 症例. 日本口腔外科学会雑誌, 35(5), 1242-1246.