「6週間前に2回目のコロナワクチンを接種した。その後から倦怠感、意識の低下、左側顔面と舌のピリピリとした痛みが生じた。脳神経外科でCT撮影し異常なしと言われた。倦怠感は徐々に消失してきたが痛みが続いている」という経過で、来院されました。アセトアミノフェンを内服すると痛みは軽減する ミントのタブレットをなめると舌痛が和らぐということです。
非定型顔面痛、舌痛症と診断し、プレガバリン、アセトアミノフェンの内服してもらいました。3か月後には、「痛みがほぼなくなった。夕方から痛みが出ることがあるが、夜に飲む分の薬で治まる」ということでした。
ミントのタブレットの嘗めると舌痛が和らぐのはなぜでしょうか。舌粘膜直下に分布する舌神経の端末部にはTRPM8という温度受容体が存在します。TRPM8は25~28℃で活性化されます。またTRPM8はミントの主成分であるメントールによっても活性化されます。このTRPM8の働きが舌痛と関連していたのでしょう。