風邪やインフルエンザにより病邪が胃腸(裏)に入ると、陽明病になります。この時期には胃腸に熱が籠り、便秘になります。陽明病の治方は、大承気湯や小承気湯を用いることにより排便させ、胃腸の熱を取って病邪を追い出すことです。これを下法といいますが、陽明病期であっても下法を行ってはいけない場合があります。
悪寒・発熱を伴う場合
まずは桂枝湯類で発表させ、病邪を体表から追い出します。
胸脇苦満、嘔吐、白苔を伴う場合
小柴胡湯を用います。
太陽病、少陽病、陽明病が合併している場合
百虎湯を用います。
顔面紅色の場合
陽明の経脈に邪があるため、下すと脾の運化機能が減退して湿熱を生じさせてしまいます。この場合は桂枝湯類を用います。
胃寒の場合
消化吸収が低下している場合は下すと嘔吐します。
心下硬満の場合
痛みがない場合に下すと下痢が止まらなくなり、死に至ります。