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漢方薬が用いられる状況

漢方治療の方が西洋医学的標準治療よりも優れている場合

こむらがえり        芍薬甘草湯
認知症に伴う行動・心理症状 抑肝散
インフルエンザの初期    麻黄湯
急性胃腸炎の初期      五苓散
血球貪食症候群       小柴胡湯

 漢方治療と西洋医学的標準治療との併用により両者の効果を増強する場合

片頭痛    トリプタン製剤+呉茱萸湯
三叉神経痛  テグレトール+五苓散
大腸憩室炎  抗菌材+大黄牡丹皮湯
関節リウマチ MTX+防已黄耆湯  

漢方治療を併用することにより西洋医学的標準治療の副作用が軽減される場合

(主にがん化学療法に対する副作用)
口腔粘膜炎  半夏瀉心湯
四肢のしびれ 牛車腎気丸
食欲不振   六君子湯
倦怠感    補中益気湯
骨髄抑制   十全大補湯、人参養栄湯

西洋医学的標準治療が行えない疾患に対して漢方薬を投与する場合
  

アレルギー性鼻炎(副作用による眠気のため抗アレルギー薬が使えない)
小柴胡湯加附子
非ステロイド性消炎鎮痛剤(MSAID)による喘息 発熱、感冒、腰痛 
桂枝湯と越婢加朮湯

 

上記は医学的理由により漢方薬を用いる症例の分類ですが、他の理由もあります。

 経済的理由

西洋医学的標準治療に用いる薬剤と漢方薬を比べると、漢方薬の方がかなり安価であり、漢方薬の処方には高額な検査も必要ありません。さらに、さまざまな病気を1つの漢方薬で治すことができる場合もあり、その点でも治療費は安くなります。少数の薬を使用する利点は多剤使用より副作用が出にくいことで、漢方薬を用いる医学的理由ともなります。

患者の趣向性

漢方薬は数千年前から様々な病気に対して使用されてきた実績があるため、未知の副作用が生じる心配はほとんどありません。副作用自体が生じにくく重篤なものはわずかですから、「天然成分」「医食同源」などに魅かれる健康志向の患者の趣向性にもマッチするといえるでしょう。

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