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むし歯をできにくくする方法

治療法 論文・記事 2017年06月29日

むし歯のできやすさを調べた結果、むし歯リスクが高いと判断された場合はどうすればよいのでしょうか。むし歯に関係する4要素、それぞれに対して有効な対策があります。
砂糖摂取量
当然のことながら、ほとんどのスイーツには砂糖がたっぷりと入っています。紅茶やコーヒーに砂糖を入れるという行為は一般化されていますし、煮物など和食は砂糖の甘さが特徴ともいわれています。また、中華料理でも砂糖を使います。清涼飲料水やスポーツドリンクにも相当量の砂糖が入っているので要注意です。
むし歯を作らないためには砂糖を一切取らない食生活に変えることが理想的ですが、多くの人にとってそれは不可能でしょう。ただし、摂取する砂糖の量を調整する必要はあります。平均的な日本人の砂糖摂取量から砂糖を減らすことは大変ですから、その場合は摂取回数を減らすと効果的です。
砂糖が口に中に入ると虫歯菌がその一部を酸に変えて口の中は酸性となり、酸性の状態が続くと歯が溶けていきます。ただし、通常は唾液の緩衝能力によりそうはなりません。一時的に口の中が酸性になっても唾液の力で徐々に中性に戻るため、歯は溶かされていないのです。
このように唾液が砂糖の悪影響を抑えているわけですが、この働きにも限界があります。つまり、甘いものが好きで日常的に飲み食いしていると、中性に戻る時間的な余裕がなくなってしまうのです。従ってだらだらと甘いものを食べたり、飴をなめ続けたりすることは虫歯を作ってしまう非常に危険な行為です。
砂糖の摂り方に話を戻すと、砂糖を摂る回数は少ないほどリスクは少なくなります。一回あたりの摂取量は多いほど満足感が得られやすいため、繰り返し砂糖が欲しくなる「砂糖依存症」に対して効果的です。つまり出来るだけ摂取回数を減らし、一回に十分な量を摂るようにしましょう。
そして、摂取後は一刻も早く砂糖を歯の表面から取り除くことが肝心です。最も有効な方法は歯磨きではなく、水でぶくぶくとうがいをすることです。
むし歯菌の酸産生能
フッ素にはむし歯菌の酸産生能を抑えるとともに産生された酸の働きを抑える働きもある他、虫歯菌に対する抗菌作用もあります。歯科で用いるフッ素は高濃度のペーストですから、一度塗布すると3~6ヶ月はその効果が持続します。また、家庭での低濃度フッ素の利用もお勧めです。多くの歯磨き粉にはフッ素が配合されていますが、もっと効果的なのがオラブリス、ミラノールなどのフッ素入りうがい薬です。
一方、虫歯菌の数を減らすことも大切です。むし歯菌は砂糖を分解してプラークを作り、ベトベトのプラークがツルツルの歯の表面に付着します。このプラークを歯の表面から取り除けばむし歯菌を退治できるのですから、正しい歯磨きが重要課題となります。
歯磨きは誰もが日常的に行うものですが、多くの人は間違った歯みがきをしています。そのため、歯は磨いていてもプラークは落ちていないのです。正しい歯磨き法を学んで実践すれば、プラークがほとんど付かない清潔な状態を保つことができます。チャンスがあれば、歯科で指導してもらいましょう。
ただし、正しい歯磨きをしても少量のプラークが残ってしまうため、定期的な「PMTC」が必要です。PMTCとは歯科で専用器具を用いてプラークを取り除くクリーニングで、3~4カ月ごとに継続することによりきれいな歯を保つことができます。
薬で虫歯菌を除去する「3DS」も有効です。歯型を採って専用のトレーを作り、トレーの内面にプラックアウトというジェル状の消毒剤を入れて5分間歯に装着するだけで、むし歯菌を除菌します。6カ月ごとに繰り返し行う他、このトレーに低濃度のフッ素ジェルを入れて毎日使用するとさらに効果的です。
口の中に善玉菌を植え付けて悪玉菌(むし歯菌)を駆逐する方法をプロバイオティクスといいます。「アクティブK12」は善玉菌を凍結乾燥してタブレット錠にしたもので、舐めることによりむし歯菌や歯周病菌に対抗する善玉菌を口の中に植え付けることが可能です。

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