むし歯のできやすさを調べた結果、むし歯リスクが高いと判断された場合はどうすればよいのでしょうか。むし歯に関係する4要素、それぞれに対して有効な対策があります。
糖摂取量
当然のことながら、ほとんどのスイーツには砂糖がたっぷりと入っています。紅茶やコーヒーに砂糖を入れるという行為は一般化されていますし、煮物など和食は砂糖の甘さが特徴ともいわれています。また、中華料理でも砂糖を使います。清涼飲料水やスポーツドリンクにも相当量の砂糖が入っているので要注意です。
むし歯を作らないためには砂糖を一切取らない食生活に変えることが理想的ですが、多くの人にとってそれは不可能でしょう。ただし、摂取する砂糖の量を調整する必要はあります。平均的な日本人の砂糖摂取量から砂糖を減らすことは大変ですから、その場合は摂取回数を減らすと効果的です。
砂糖が口に中に入るとむし歯菌がその一部を酸に変えて口の中は酸性となり、酸性の状態が続くと歯が溶けていきます。ただし、通常は唾液の緩衝能力によりそうはなりません。一時的に口の中が酸性になっても唾液の力で徐々に中性に戻るため、歯は溶かされていないのです。
このように唾液が砂糖の悪影響を抑えているわけですが、この働きにも限界があります。つまり、甘いものが好きで日常的に飲み食いしていると、中性に戻る時間的な余裕がなくなってしまうのです。従ってだらだらと甘いものを食べたり、飴をなめ続けたりすることはむし歯を作ってしまう非常に危険な行為です。
砂糖の摂り方に話を戻すと、砂糖を摂る回数は少ないほどリスクは少なくなります。一回あたりの摂取量は多いほど満足感が得られやすいため、繰り返し砂糖が欲しくなる「砂糖依存症」に対して効果的です。つまり出来るだけ摂取回数を減らし、一回に十分な量を摂るようにしましょう。
そして、摂取後は一刻も早く砂糖を歯の表面から取り除くことが肝心です。最も有効な方法は歯磨きではなく、水でぶくぶくとうがいをすることです。