むし歯菌の酸産生能
フッ素にはむし歯菌の酸産生能を抑えるとともに産生された酸の働きを抑える働きもある他、むし歯菌に対する抗菌作用もあります。歯科で用いるフッ素は高濃度のペーストですから、一度塗布すると3~6ヶ月はその効果が持続します。また、家庭での低濃度フッ素の利用もお勧めです。多くの歯磨き粉にはフッ素が配合されていますが、もっと効果的なのがオラブリス、ミラノールなどのフッ素入りうがい薬です。
一方、むし歯菌の数を減らすことも大切です。むし歯菌は砂糖を分解してプラークを作り、ベトベトのプラークがツルツルの歯の表面に付着します。このプラークを歯の表面から取り除けばむし歯菌を退治できるのですから、正しい歯磨きが重要課題となります。
歯磨きは誰もが日常的に行うものですが、多くの人は間違った歯みがきをしています。そのため、歯は磨いていてもプラークは落ちていないのです。正しい歯磨き法を学んで実践すれば、プラークがほとんど付かない清潔な状態を保つことができます。チャンスがあれば、歯科で指導してもらいましょう。
ただし、正しい歯磨きをしても少量のプラークが残ってしまうため、定期的な「PMTC」が必要です。PMTCとは歯科で専用器具を用いてプラークを取り除くクリーニングで、3~4カ月ごとに継続することによりきれいな歯を保つことができます。
薬でむし歯菌を除去する「3DS」も有効です。歯型を採って専用のトレーを作り、トレーの内面にプラックアウトというジェル状の消毒剤を入れて5分間歯に装着するだけで、むし歯菌を除菌します。6カ月ごとに繰り返し行う他、このトレーに低濃度のフッ素ジェルを入れて毎日使用するとさらに効果的です。
口の中に善玉菌を植え付けて悪玉菌(むし歯菌)を駆逐する方法をプロバイオティクスといいます。「アクティブK12」は善玉菌を凍結乾燥してタブレット錠にしたもので、舐めることにより虫歯菌や歯周病菌に対抗する善玉菌を口の中に植え付けることが可能です。