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口腔ガンの症状と症例写真(口腔ガン4)

病気 2017年07月21日

舌ガンの多くは、歯との接触によって刺激を受けやすい舌縁部(舌の横の部分)にできます。
初期の病変は、粘膜の表面下で小さなしこり(腫瘤)ができるだけで、表面にはほとんど変化が生じません。また、逆に表面下には腫瘤が生じず、粘膜の表面が白くなるだけの場合もあります。そのため、ガンであるか否かの判別が困難であるため、口腔外科を受診して病理組織検査や注意深い経過観察を受ける必要があります。初期の段階では、痛みだけがある場合や粘膜の表面が赤くなるケースなど、その症状は様々です。
ガンが進行すると粘膜の表面が隆起したり、表面下で腫瘤ができて硬くなったり(硬結)します。腫瘤ができると中心部の血行が悪くなって組織の壊死が生じ、粘膜に潰瘍ができます。ガンの潰瘍の周囲は硬くなって盛り上がっており(硬結)、口内炎の潰瘍と容易に区別することができます。ただし、初期の症状として浅い潰瘍のみが見られる場合もあり、この場合は判別が難しくなります。一方、舌縁部の最後方部には葉状乳頭という膨らみがありますが、これは正常なリンパ組織です。また、舌根部(舌の奥の部分)の表面に並んでいる有郭乳頭という小さな膨らみも同様に、正常なリンパ組織です。
当クリニックには口内炎や舌痛症、また葉状乳頭や有郭乳頭の炎症を舌ガンではないかと心配される方々が多く来院されています。万一気になるようでしたら、早めの受診をお勧めします。 <歯肉ガンは、歯周病や虫歯による炎症が繰り返し生じている歯の周囲に発生することが多く、適合不良な義歯を入れている場合には義歯の下の粘膜にも発生することがあります。
症状は歯肉が腫れて出血しやすくなる場合が多く(肉芽型)、潰瘍ができるケースもあります。また、歯肉のすぐ下には顎骨があり、歯肉ガンが発生すると顎骨が溶けて歯がグラグラすることもあります。困ったことに、歯肉ガンのこれらの症状は歯周病とよく似ているためしばしば誤った診断によって抜歯され、ガンを進行させてしまう場合があります。また、義歯下の粘膜に発生する潰瘍も義歯による潰瘍か、それともガンによるものかの区別が難しい場合があります。そのため、義歯を調整しても潰瘍が治らない場合は、レントゲン検査や病理組織検査を検討する必要があります。

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