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口臭症患者にみられる値引き

口臭 病気 2018年02月05日

問題を無視する

口臭に悩んでいる人が「口臭をなくすための3つの方法」という文章を読みます。そのとき「こんなことをしても私の口臭がよくなるわけがない」と考えたとしたら、「口臭を改善できる」という自分の能力を無視していることになります。

問題を軽視する

口臭に悩んでいる人が「唾液には口臭をなくすさまざまな成分が含まれている」ということを耳にします。そのとき「唾液ごときが口臭をなくしてくれるのであれば、私の長年の悩みはバカバカしいものでしかない。唾液にそこまでの力があるはずはない」と考えたとしたら、「唾液の力」を軽視していることになります。

事実を捻じ曲げる

口臭に悩む人が友人から度々、「口が臭い」と言われていると思っています。友人は実際にはそのようなことを言っておらず、ただ友人が臭そうにしていたのを「口が臭い」といわれたと思い込んでいたのです。つまり、事実を捻じ曲げていたことになります。

値引きする対象とは別のものを誇張し、値引きの対象を小さく見せる

「友人に口が臭っているような態度をされた」と訴える人が、「本当に臭かったのか尋ねてみたらどう」とアドバイスされました。「まさか。そんなことを尋ねたら『そんな当然のことをあえて尋ねるなんて、この人はなんてバカなのだろう』と思われてしまう」とその人は考えました。これはバカと思われることを誇張して、口が臭いという問題を小さく見せているのです。

大騒ぎする

上司から「今日は口が臭うぞ。注意するように」とたしなめられた人が、詳しく説明することなく家族に対して「私の社会人としての人生はこれで終わりだ」と嘆き悲しんだとします。大騒ぎすることにより、口が臭わないように取り組むことを値引きしたのです。

細かい点をほじくり返す

口臭治療前には中等度の臭気があった患者が、治療後ほとんど臭気が発生しなくなりましたが、口臭を心配するあまり人と普通に話すことができないため、次の治療日までに通常の会話ができるように取り組むことになりました。しかし、「今日は口が乾いている」「この人はいつも臭そうな態度をする」「昨日の夕食の味噌汁に青ネギが入っていた」「今朝はしっかりと歯磨きする時間がなかった」などと言い訳を作り出し、いつまでたっても人と話す取り組みが始められません。細かい点をほじくり返し、人と話せるように取り組むことを値引きしているのです。

過度に一般化する

3年前に上司から「口が臭い」と一度言われただけでいつも上司が臭そうにしているように見えてしまい、上司に対してはきはきと話すことができません。実際にはその後3年間、上司が臭いと思ったことも臭そうにしたこともなかったのです。一度言われたことを常時当てはまると過度に一般化していたのです。

代替案を否定する

いつも市販の口臭用スプレーで口臭対策をしている口臭症患者が、歯科医院専用の口臭用マウスウォッシュを使う方がよいと説明されました。しかし、「今まで色々な商品を使ってきたが効果はなかった。今回勧められたマウスウォッシュも同じだろう」と考え、代替案を心の中で否定しました。

相手を貶める

「口臭があるかどうかは一緒に棲んでいる家族に尋ねてみるのがよい」と聞いた人が、「私の夫は鼻が鈍いから臭っていてもわからないだろう」と考えました。嗅覚が悪い夫の能力を貶めて、問題を客観的に知る機会を値引きしたのです。

過保護

自分の娘の口臭を心配する母親が、習い事の場で娘にいつもマスクを付けさせました。過保護にすることで、娘の口臭を本当に改善することを値引きしたのです。

「検討します」と回答する

「本当に口臭を改善したければ、口臭外来にかかるのがよい」とアドバイスされた人が、「検討します」と答えたものの口臭外来を訪れることはありませんでした。「検討します」と回答することで、実際に受診するという行為を値引きしたのです。

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