関西医科大学心療内科の水野泰行先生が慢性疼痛患者に対して行われている治療法の数々を紹介されました。
脱フュージョン
患者が抱いている悪い自己イメージと現実が混じり合って区別がつかなくなっている状態を「フュージョン」といいます。この状態から抜け出すことを「脱フュージョン」といいます。過去の経験から、腰痛患者が体を動かすと痛みがひどくなると思い込んでいるとします。「どのくらいできないものなのですか:」と問い掛けることにより、脱フュージョンできる可能性があります。
痛みに対するマインドフルネス
瞑想中に何も考えないようにしようとしても、雑念が次々と浮かんできてしまいます。マインドフルネスでは何も考えないのではなく、呼吸に注意を集中させる方法があります。「毎日10分間、集中して痛みのことを考えてください」という「痛みに対するマインドフルネス」を紹介されました。
リフレーミング
物事の捉え方を変えてみることを「リフレーミング」といいます。腰痛患者が運動を試みますが、その度に痛みがひどくなります。しかし、痛みの生じるパターンや持続期間を自ら知ることができます。痛みに対する対処法も学ぶことができます。痛み自体がくるくなっていっていることに気付くこともあります。リフレーミングにより、このような気付きが生まれます。