準備段階(第1段階)
痛みが生じる前に次のような問題点を抱えている場合が一般的です。人生のさまざまな時期に生じる問題、過剰適応、心理・社会的ストレスです。
痛みの発生(第2段階)
歯科治療、ヘルニアなどの脊椎外科手術、交通事故などがきっかけで体に痛みが生じます。特に思い当たる出来事がなく、ある日突然痛みが生じる場合もあります。
痛みに伴う不快情動、ドクターショッピング(第3段階)
痛みにより不安や抑うつが生じます。その悪影響で破局化、理不尽感、医療不信、対人過敏、失感情症、失体感症といった問題が引き起こされます。
過活動性(第4段階)
安静時の不快感を避けるために過食・過活動といった気晴らしに走る場合もあります。これは強迫的な常同行動として過剰に行われるもので、快楽を伴う過食・飲酒・喫煙などが代表例です。仕事に打ち込むことや女性の場合は家事や町内会、PTAなどにのめり込む場合もあります。
生物学的変容(第5段階)
交感神経の過緊張、副交感神経の機能不全、筋骨格系の異常、末梢循環の悪化、免疫系の異常、脳機能の異常
細井昌子:慢性痛の心身医学、心身医学;55、120-1216、2015