コロラド大学歯学部口腔内科池田健太郎准教授による教育講演です。治療に用いた薬剤で口腔内に病変が生じた6例を紹介されました。
関節リウマチに抗TNF阻害剤が使用されていた症例に口腔潰瘍が生じ、その後肉芽形成が見られました。組織検査の結果は増殖性疣贅状白板症(proliferative verrucous leukoplakia; PVL)でした。治療は紆余曲折しましたが、最終的に抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名オブジーボ)投与で症状は完全に消失しました。
口腔粘膜の剥離を認め、難治性だった症例です。原因の特定に時間がかかりましたが、血栓予防に用いられていた直接Xa因子阻害薬アピキサバンを偶然中止したことで症状が消失しました。