手足が冷えることを中医学(漢方)では「四肢逆冷」といい、これを略して「四逆」といいます。四逆散は四逆に用いる薬として2000年前に登場した方剤です。構成生薬は柴胡、芍薬、甘草、枳実の四味であり、気逆に対する代表方剤です。気逆とは気の流れに問題が生じている状態のことですが、そのために手や足の先が温まらなくて冷えるとされます。
四逆散が投与された86例では、有効41例、無効21例、不詳24例でした。四逆散は四逆に用いる薬と書きましたが、どうやらそうではないようです。有効例では客観的に四肢が冷えている症例は2割程度と、多くない結果となりました。胸脇苦満はほぼ全例にあり、腹直筋攣急は6割にあり、腹心所見の方が方剤選択に役立つようです。