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高安動脈炎

論文・記事 2020年10月20日

下顎臼歯の治療後に頸部に痛みが生じた症例で、半年間原因がわからず、ようやく高安動脈炎と判明しました。高安動脈炎は血管壁に生じる非特異的な慢性炎症です。遺伝的要因を背景に、感染などの環境要因がきっかけとなり、大動脈を主体とした弾性動脈が自己免疫機序により破壊されるとされています。
ステロイドの投与により症状は軽快し、その後もステロイドを継続しています。鑑別診断として、動脈硬化症、先天性血管異常、感染性動脈瘤、梅毒性中膜炎、巨細胞製動脈炎、血管型ベーチェット病、IgG4関連大動脈周囲炎が挙げられています。頸部痛の鑑別診断としては、顎関節症、頸部障害、頸部リンパ節炎、顎下腺炎、舌咽神経痛、三叉神経痛、総頚動脈解離、咽頭癌、扁桃周囲炎、筋炎、冠動脈疾患、下顎片頭痛、良性腫瘍や嚢胞の細菌感染、髄膜炎も挙げられると思います。

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