血の流通に障害をきたした状態が血瘀であり、漢方独自の概念です。血瘀の状態を血管のライブイメージングにより調べた論文です。血瘀に対して用いられる代表的な方剤である桃核承気湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散が実験に用いられました。
結果的にいずれの薬剤も血流量が増加し、血瘀が改善することがわかりました。また、大きな血管に作用するほど効果が早く現れるため、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散の順に即効性がある理由も確認できました。
作動標的
桃核承気湯 動脈、毛細血管
桂枝茯苓丸 細動脈
当帰芍薬散 毛細血管
血管径
桃核承気湯 拡大
桂枝茯苓丸 拡大
当帰芍薬散 変化なし
赤血球血流速度
桃核承気湯 増加
桂枝茯苓丸 変化なし
当帰芍薬散 増加
血流量
桃核承気湯 増加
桂枝茯苓丸 増加
当帰芍薬散 増加