太陽病と少陽病の併病に対して柴葛解肌湯が有効であった症例報告です。柴葛解肌湯は葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏の構成生薬を合わせたものでできています。
『傷寒論』に合病と併病について解説があります。合病とは病気の本体は一つの病位にあり、病勢が盛んなため病気の影響が他の部位にも波及している状態のことです。そのため、病気の本体に対する一つの方剤を用いれば、他の病衣に波及した病気も同時に治癒します。併病とは病気がある病位で始まり、それが治癒しないまま他の病位にも進行したため、病気が二つの病位に併存している状態です。そのため、それぞれの病位に対する二つの方剤を用いて治療します。