飲み合わせや副作用にさほど気を使わないで使用できるのが漢方薬のよいところです。漢方薬の副作用がないわけではありませんが、その発症率は低いものです。
偽アルドステロン症
甘草に含有されるグリチルリチン酸の代謝物がコルチゾールの分解を阻害し、過剰となったコルチゾールが尿細管のカリウムの排せつと名取宇もの再吸収を阻害することで発症します。症状は高血圧、浮腫、四肢の脱力、頭重感などです。
薬物性肝障害
中毒、薬物代謝異常、アレルギーといった原因で薬物性肝障害が生じますが、漢方薬によるものはアレルギー反応と考えられています。小柴胡湯、柴苓湯、葛根湯での報告が多く、生薬では黄芩が関与していることが多いようです。
薬物性肺炎
黄芩を含む方剤で薬物性肺炎が生じた例がいくつも報告されています。小柴胡湯が代表例ですが、100万人に投与され、88人に発症が確認されたということなので、発症率はかなり低いものです。