肉や魚、ビールなどプリン体が多い食事をとり続けると血清尿酸値が高くなり、関節内に尿酸塩結晶が生じます。この結晶が壊れる際に痛風発作が生じ、激しく痛みます。尿酸値の上昇は見られませんが、偽痛風も関節内に結晶が生じ、痛風同様に痛みます。
この報告は顎関節内にピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶が生じた偽痛風の症例です。しかし、この症例の発症機序については何も言及されていません。
関節円板前方転位が進行すると関節円板が穿孔し、下顎頭と下顎窩の機械的摩耗が生じます。ここからは推測ですが、機械的摩耗により関節円板や滑膜中のCPPD結晶が関節腔内に遊離し、その後に偽痛風発作が生じるのではないでしょうか。