毎回少しずつ読み進めてきた北京中医学院の劉渡舟教授の著書『劉渡舟験案精選』ですが、今回で最後のページに到達しました。今回は青盲(緑内障)です。
本症例の弁証は痰濁邪、上犯清陽、天気冒明でした。脾胃の気陰両虚により、水穀の運化する力が落ちて湿が溜まります。湿が痰濁と化し、肝気が上逆して痰濁を肝が開窮する目に集中させます。その結果、目の痛みや眼圧亢進が生じ、緑内障を発症させました。大半夏湯を2週間内服し、眼圧が正常化しました。
弁証で出てきた清陽とは天を為すものであり、地を為すものが濁陰です。また、頭は清陽の府とされます。天気とは清浄光明なものです。