下顎骨骨折が生じると最初に顎間固定をします。これは上下の歯をワイヤーで縛り、口があかないようにすることで、手足にギプス固定するようなものです。その後整復固定術を行うのですが、私が卒業して口腔外科の医局に残ったころは今とは違っていました。骨折した両端の骨に穴をあけてワイヤーを通して固定したり、太いワイヤーで串刺しにしたりする手術もありました。プレートで固定する場合もステンレス製プレートを使ったりしていました。術後は数週間顎間固定を継続しました。
そのころに登場したのがChmpy理論です。チタンミニプレートを用いて単純骨折を整復固定すれば、術後の顎間固定は必要なくなりました。その後のAOコンセプトでこの理論が補強されました。Champy, Maxime, et al. “Mandibular osteosynthesis by miniature screwed plates via a buccal approach.” Journal of maxillofacial surgery 6 (1978): 14-21.