上顎側切歯の根管治療中に水酸化カルシウム製剤(カルシペックスⅡ)が根管外に多量に溢出した症例です。顔面の腫脹、複視、倦怠感、口蓋粘膜の壊死が生じました。 水酸化カルシウム製剤が前・中歯槽動脈と大口蓋動脈を塞栓し、大口蓋動脈を逆行して下降口蓋動脈、顎動脈に達し、下歯槽動脈、深側頭動脈、後上歯槽動脈、眼窩下動脈、蝶口蓋動脈にも影響が及んだと考えられました。