患者に対して医師がポジティブな言葉掛けをした場合とネガティブな言葉掛けをした場合で、その後どのように症状が変化するかを調べた研究が紹介されました。ポジティブな言葉掛けとは、希望を持たせたり勇気づけたりする言葉をかけることです。
治療2週後に症状の変化を調査すると、ポジティブな言葉掛けをした50名の内で32名が治療後によくなりました。一方、ネガティブな言葉掛けをした50名の内で治療後によくなったのは21名と、優位に少なくなっていました。
興味深いのは治療しなかった50名ずつのグループの2週間後の症状の変化です。こちらもポジティブで32名、ネガティブで18名と有意な差がありました。治療をしてもしなくても成績にほとんど違いがありません、治療をすることよりも、言葉掛けの方が治す力が大きかったということです。
Thomas, Kelly B. “General practice consultations: is there any point in being positive?.” Br Med J (Clin Res Ed) 294.6581 (1987): 1200-1202.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1246362/pdf/bmjcred00019-0024.pdf