前回は六病位のうちの複数の病位が同時に現れる合病を勉強しましたが、今回は併病でした。併病とは一つの病位が治らないうちに別の病位が現れることです。
太陽と陽明の併病
太陽病は発汗法といって汗をかかせて治しますが、汗をかいても治らないうちに陽明病の症状が現れることがあります。陽明病に対しては排便させる下法を用いますが、桂枝湯か葛根湯で発汗させ、その後必要野に応じて調胃承気湯を用います。
太陽と少用の併病
太陽病証が解していないうちに少陽病証が現れるもので、発汗法も下法も用いられません。心下痞硬がある場合は大椎、肺兪、肝兪に針を打って治します。誤治により譫語が現れたら、期門に針を打ちます。
少陽と陽明の併病
半表半裏の少陽病証が解していないときに、陽明裏証が生じるものです。この場合は少陽病証の代表方剤である小柴胡湯が使えます。