放射能を含む薬剤を注射し、体のどの部分に多く取り込まれたのかを調べるのがPET検査(陽電子放出断層撮影)です。がんが転移していないかどうかを調べることが多いのですが、そのためにがん細胞に取り込まれやすい放射性薬剤を用います。
その薬剤はFDG(フルオロデオキシグルコース)というもので、ブドウ糖の水酸基1か所をフッ素18という放射性同位元素に置き換えたものです。ブドウ糖はがん細胞に取り込まれやすい性質があり、FDGも同じ性質があります。
ブドウ糖は脳、扁桃腺、乳腺、肝臓、腸管にも取り込まれやすいという性質があり、FDGもこれらの臓器によく取り込まれます。そのため、がん病巣との区別が必要となります。
LAT-1(L型アミノ酸トランスポーター1)はがん細胞にのみ発現していて、フェニルアラニンなどのアミノ酸をがん細胞に取り込む働きがあります。フェニルアラニンをホウ素とフッ素18で標識したFBPAを注射すると、がん病巣のみをPET検査で見つけやすくなります。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/tracer/about/research/pet_02.html