親知らずは、抜いた方がよい場合と残せる場合とがあり、親知 らずが歯としての働きを果たしているかどうかで、それを判断します。まず、抜く場合は親知らずが傾いて前方の歯に食い込んでいる、あるいは生えきれずに途 中で止まっているケースなどです。親知らずが埋まっていると、歯周病と同様に歯と歯茎の境目が深くなるため、歯茎が赤く腫れて痛む場合があります(智歯周 囲炎)。また、手前の歯との間に段差があると十分な歯磨きができず、歯垢がたまって虫歯や歯周病にかかりやすくなります。しかしながら、親知らずの最も怖 い点は汚れが歯の周りの歯肉にたまって起こる炎症(歯冠周囲炎)が悪化し、顎骨の炎症にまで広がっていくことです。また、親知らずの周りに膿瘍(膿のこ と)が形成され、骨が破壊されていく場合もあります。こうなると原因である親知らずをすぐに抜くことはできず、点滴や抗生物質の投与によって消炎を行って からの抜歯となります。特に、上顎は直接頭蓋骨とつながっているため、脳にまで痛みが響いて大変つらいため注意が必要です。
親知らずは必ず抜かないといけないの?
診察法・検査法 2013年09月10日