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口腔ガンの治療

診察法・検査法 2013年09月20日
残念ながら、現状ではどのような治療を行っても、進行ガンを治癒 させることは困難です。進行して拡大した口腔ガンを切除するには、顔面の皮膚や頚動 脈、時には脳までを切除しなければなりません。そうなると、ガンは取り切れたとしても、大きな機能障害や審美障害が残ることになります。加えて、頻繁に再 発や転移が生じることから、長期生存が難しい状況に陥ります。このような進行ガンに対しては、抗ガン剤による化学療法や放射線照射が治療の中心となります が、治療成績は決して良好とはいえません。
 
そんな中、「ホウ素中性子捕捉療法」は進行ガンに対してある程度の効果が期待できる、数少ない治療法です。「10B(ホウ素10核種)」という放射線同位元素に弱い中性子線を当てると、次のような核反応を起こします。
 
10B+→7Li+4He 
 
核 反応によって発生する高エネルギーの7Liや4Heは、周囲の細胞を殺す強い力を持っていますが、わずか数ナノメートルしか拡がらな いため、10Bのある部分の組織だけを破壊します。そこで、ガン細胞が正常細胞より増殖が盛んな性質を利用して、10Bをガン細胞に取り込ませます。そし て、そこへ弱い中性子を当てることにより、ガン細胞だけを選択的し、破壊することができるというものです。

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