咬合違和感症という病気があります。歯の噛み合わせが気になって仕方なく、被せ物を何度、作り直してもいつまでもよくならない病気です。別名「Phantom Bite Syndrome」といわれ、実際には存在しない理想的な噛み合わせを求め続けて幾つもの歯科をさ迷い歩きます。
膨大な時間と手間をかけて噛み合わせを探して仮歯を調整し、もう少しで咬合が完成するという時点で必ず患者―医師関係が破綻し喧嘩別れするといわれています。私にもそのような経験が幾つかあります。
Phantom Bite Syndromeには正解となる噛み合わせはありません。もともと噛み合わせが悪くてなるのではないからです。Phantom Bite Syndromeは脳内で噛み合わせに関する感覚が狂っているために生じると考えられています。
治療法は歯の治療ではなく、薬物療法です。抗うつ薬や抗精神病薬の一種であるdopamine partial antagonistのエビリファイには咬合異常感を改善する効果があります。
東京医科歯科大学歯科心身医療外来の豊福明教授の講演では、Phantom Bite Syndrome患者の脳内地図の異常を脳血流SPECTという画像検査の結果を解説されました。
写真: 咬合違和感と脳生理との関連を考える 咬合違和感症という病気があります。歯の噛み合わせが気になって仕方なく、被せ物を何度、作り直してもいつまでもよくならない病気です。別名「Phantom Bite Syndrome」といわれ、実際には存在しない理想的な噛み合わせを求め続けて幾つもの歯科をさ迷い歩きます。 膨大な時間と手間をかけて噛み合わせを探して仮歯を調整し、もう少しで咬合が完成するという時点で必ず患者―医師関係が破綻し喧嘩別れするといわれています。私にもそのような経験が幾つかあります。 Phantom Bite Syndromeには正解となる噛み合わせはありません。もともと噛み合わせが悪くてなるのではないからです。Phantom Bite Syndromeは脳内で噛み合わせに関する感覚が狂っているために生じると考えられています。 治療法は歯の治療ではなく、薬物療法です。抗うつ薬や抗精神病薬の一種であるdopamine partial antagonistのエビリファイには咬合異常感を改善する効果があります。 東京医科歯科大学歯科心身医療外来の豊福明教授の講演では、Phantom Bite Syndrome患者の脳内地図の異常を脳血流SPECTという画像検査の結果を解説されました。