歯周病や歯周病に由来する口臭を改善するためには、適切な歯磨き(ブラッシング)が不可欠です。そのためにいかにしてブラッシング指導をするかが要点となります。ブラッシングを可視化する道具に歯垢染め出し液があります。この液を歯に塗ると、実がし残した部分が赤や紫に染まります。
食事前に歯垢染め出し液を使って歯垢がついている状態をスマホで撮影し、食後にもう一度染め出しをして写真を撮ります。すると食事により歯垢が付着したかどうかが目で見てわかるようになり、食後すぐに歯を磨かなければならないのかが明らかとなります。この方法で食後すぐに歯を磨かなければならないという不適切な認知を修正することができます。
歯磨きをする前と歯磨きをした後の写真を比較することで、適切なブラッシングという行動を身に着けることができます。認知行動療法によって、どのようにして適切でない認知を修正するか、どのようにして適切な行動を身につけるかといった課題を解決できます。
しかし、患者さんにすんなりと歯垢染め出し液を使ってもらうことは、いつもうまくいくことではありません。患者さんをその気にさせる必要があります。「歯肉が腫れて痛い思いをした」「口が臭うといわれて恥ずかしかった」を言った体験を俎上に載せ、「あんな思いは2度としたくない」といったチェンジトークを引き出す必要があります。これが動機づけ面接です。