胃が冷えて嘔吐し頭痛がある場合に呉茱萸湯を用います。この場合の頭痛は頭頂部に生じます。人参、大棗、生姜には脾胃の働きを助ける作用があり、これらに体を温める働きが強い呉茱萸が加わった方剤が呉茱萸湯で、鎮痛と利水の働きがあります。呉茱萸湯で胃を温めると体全体が温まり頭痛も消失します。呉茱萸湯は陽明病、少陰病、厥陰病の3つの場面で用います。
陽明病
胃に虚寒があり、上逆して嘔吐(乾嘔や涎沫)する
少陰病
裏の寒邪のために嘔吐する
厥陰病
寒邪が厥陰肝経に侵入し、下焦にある陰の気が経絡を沿って上がり、胃を侵す。陰の気によって胃が冷え、これが上逆して嘔吐となる。