理想的にはがん治療が始まる前に歯科治療を終えておくことが望ましいのですが、現実には歯が悪いままがん治療に突入してしまいます。化学療法の最中には歯の治療はできないので、化学療法の合間の3週間を利用することになります。
この時期に細菌感染による急性炎症が生じた場合は、化学療法の主治医に血液検査を依頼します。白血球減少や血小板減少が著しい場合は、G-CSFの投与や血小板輸血で歯が治療できる状況にしてもらいます。
化学療法を継続するためには、腎機能に悪影響を与えないように気を配る必要があります。抗生物質は肝代謝のものを用い、消炎鎮痛剤は使用しないようにします。口腔粘膜炎の発症を予防するために、アイスキューブで粘膜を冷やしてもらいます。発症した場合は初期の段階で半夏瀉心湯を口に含むようにして、悪化を食い止めます。