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神経障害性疼痛の心理

学会・研究会 2022年06月16日

講師は九州大学病院顎顔面口腔外科の坂本英治教授でした。坂本先生が紹介されたのはスリーヒット理論でした。慢性疼痛は発症時期に存在した発症因子だけで発症するわけではないという九州大学心療内科細井昌子先生の理論です。

慢性疼痛の発症には幼少期から生長するにかけて蓄積される準備因子が関与しています。それは幼少期に受けた虐待、学童期・思春期に受けたいじめや疎外、成人期に経験した家庭問題、職場問題、経済的問題です。

この間の3つの時期のスリーヒットが準備因子となり、そこに発症因子が加わると慢性疼痛が発症します。発症因子はケガ、病気、事故、トラブルですが、些細な出来事や関係なさそうな出来事でも発症因子となり得るのです。

慢性疼痛の患者さんのすべてにスリーヒットがあるかどうかはわかりません。そのような問題は何も思い当たらないという患者さんもよく見かけます。しかし、本人も自覚していない(思い出さないように無意識にセーブしている)問題が潜んでいるやもしれず、しっかりと聞いてみる必要がありそうです。

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