北里大学精神科の宮岡等教授は歯科心身症患者のリエゾン診療を長く経験されました。私も何度か宮岡先生の講演を聞いたり、論文を読んだりする機会がありました。
心身医学の専門家は心身症を治療することが初期の専門分野でした。喘息や胃潰瘍、高血圧症は心理面の問題を伴いやすい器質的疾患であり、典型的な心身症です。その病態解明や治療法が進歩したことで、呼吸器科医や消化器科医がきちんと治療するようになり、心療内科医の出番がなくなってきています。心療内科の対象疾患はパニック障害や摂食障害、うつ病といった精神疾患に移ってきています。宮岡先生は心療内科医は精神科医と一緒になって(精神科医になって)行けばよいと提案されました。