中川洋一先生(鶴見大学ドライマウス外来)の講演です。シェーグレン症候群で舌苔が少なくなると口臭が軽くなるそうです。唾液は口臭を発生させる嫌気性菌の増殖を押えます。そのため、唾液の出が悪くなるシェーグレン症候群では口臭が強くなりそうです。しかし、そうではないとは意外でした。
口臭の最大の発生場所は舌乳頭底部です。舌乳頭が舌苔に覆われていると、舌苔中の好気性菌が酸素を消費するために舌乳頭底部は相対的に酸素不足となります。嫌気的寛容となった結果、嫌気性菌が増殖して揮発性硫黄化合物を産生し、口臭となります。シェーグレン症候群では舌苔が少なくなるため、口臭が弱くなるという理屈です。