講師は大阪歯科大学附属病院ペインクリニック科の佐久間泰司教授でした。佐久間先生は星状神経節ブロックとトリガーポイント注射について解説されました。
星状神経節ブロックは第6頸椎横突起付近に局所麻酔薬を注入します。この注射で即時に交感神経がブロックされ、首から上の血行がとてもよくなります。その結果、血流の悪化により局所に停滞していた発痛物質が洗い流されます。
星状神経節ブロックは単純な注射ですが、ときに合併症が生じます。薬が頸動脈に入ってしまうと全身けいれんが生じ、呼吸停止や心停止が生じる恐れもあります。くも膜下腔に入った場合も呼吸停止や心停止がの恐れありです。気胸が生じることもあります。
このような合併症があるため、歯科医院を開業してからは星状神経節ブロックを行っていません。同じような理由で静脈内沈静法も行っていません。トリガーポイント注射にはこのような深刻な問題がないため、現在も実施しています。