西宮市で開業している卒後10年目の小道俊吾先生の講演は、抜かないといけないと目される歯を何とか抜かずに治してみようという内容でした。歯内―歯周病変や歯根破折歯を何とか救済しようとして成功した症例やその方法論が紹介されました。
歯周病の進行により生じた根分岐部病変は、水平性の歯槽骨吸収が生じているだけに歯槽骨の再生が難しいというのが実情です。一方で、髄床底部の穿孔により生じた根分岐部病変は周辺の歯槽骨の高さが維持されているため、骨再生が起こりやすいということでした。確かにその通りだと思いました。
根分岐部の歯槽骨を再生するためには、次の4種の術式を組み合わせるのがよいそうです。
1. 成長因子(リグロス、エムドゲイン)
2. 自家骨、骨補填剤
3. 吸収性膜
4. 歯冠即歯肉弁移動術
Garrett, Steve, Michael Martin, and Jan Egelberg. “Treatment of periodontal furcation defects Coronally positioned flaps versus dura mater membranes in class II defects.” Journal of clinical periodontology 17.3 (1990): 179-185.