歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)について患者さんに尋ねるとき、最も多い答えが「わかりません」となります。就寝中のことは自分でもわからないのです。家族から指摘されていれば認識できますが、一人暮らしでは不可能です。また、音を出さない睡眠時ブラキシズムの場合は、家族でも気づきにくいでしょう。もちろん、音なしでも歯や顎関節、筋肉に過度な負担がかかることは同様です。 2020年、上記の問題を解決する機械が保険適応となりました。ウェアラブル筋電計は、筋電図のように睡眠時に咬筋の筋活動を計測することができます。従来の筋電図は筋肉に張り付けた端子と機械本体がケーブルでつながった状態で稼動していたため、当然邪魔になって測定しにくいという問題点がありましたが、ウェアラブル筋電計にはケーブルがありません。咬筋に機械本体を張り付けてデータを記録するワイヤレスタイプなので、普段通りの筋活動が測定できるようになりました。