下顎骨骨髄炎は難治性であり、いろいろと治療を試みても痛みが持続して困ってしまいます。慢性下顎骨骨髄炎を含めたSAPHO症候群の口腔症状なのかもしれません。SAPHO症候群は掌蹠膿疱症、重度の痤瘡に伴う骨関節病変、無菌性の骨肥厚・骨炎、慢性再発性多発性骨髄炎、慢性腸疾患に伴う骨濃縮病変などの症状を示す症候群です。
瀰漫性硬化性下顎骨骨髄炎に対しては抗生物質、消炎鎮痛剤、鎮痛補助薬(抗うつ薬、ガバペンチノイド、トラマドール類)を用いますが、効果は限定的です。この論文ではプレドニゾロン、ビスホスホネート、デノスマブ、カルシトニン、メトトレキサート、スルファサラジン、抗TNFα阻害薬が紹介されていました。
浅香卓哉, et al. “びまん性硬化性下顎骨骨髄炎の診断と治療.” 日本口腔外科学会雑誌 69.3 (2023): 134-142.