歯科医師や歯科衛生士が診療中に感じる異変があります。日々患者さんのお口を見ている私たちだからこそ感じ取ることができる、口腔機能低下症のサインを紹介します。
口腔粘膜が乾燥している
食物をしっかり噛むときに使う舌や歯、口唇の筋肉が顎の活動性を高めることにより、味やにおい、温度の刺激が唾液腺を刺激して唾液が分泌されます。ところが筋力が低下してくると咀嚼運動も低調になり、結果的に唾液の分泌が抑制されてしまって口が渇くのです。
治療中にむせる
嚥下反射や咽喉頭の筋力の低下が生じると、むせやすくなります。気道への水や異物の侵入を防ぐ咳反射が起こるのです。すなわち、咳反射がむせの正体です。
滑舌が悪い、声が小さい
舌の筋力が低下すると滑舌が悪くなるため、会話中の声が聞き取りにくくなります。咽喉頭の筋力が低下すると声が小さくなります。
舌苔が厚い
私たちの日常生活は頻繁に舌を使うため、舌と口蓋が常時接触し、付着した舌苔が自然に除去されていきます。しかし舌の筋力が低下すると、舌と口蓋の接触回数が減って舌苔が付着しやすくなります。