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トリプタノールとトラムセットの優劣について

メール相談 2024年09月19日

2024年8月17日
相談1: ( 歳 女性)

私の知覚過敏は、歯医者さんでは見た目上も特に問題がないのに知覚過敏になっていると言われています。いくつも地域で有名な歯医者さんにも行きましたが直りません。

一回、痛いと思ってしまうと四六時中その痛みのことを考えてしまい、本当は悪くないのに痛みが出ているような感覚になります。そのせいで昨年(2023年)の6月に左上の6番の歯の神経を取ることになってしまいました。神経を取りたくなかったので、半年は頑張って治療したのですがダメでした。

そして今年の6月くらいからその隣の5番(左上)が虫歯治療(ほんの少し削った)をきっかけに知覚過敏になりました。そして何故か2週間くらい前からは4番(左上)も知覚過敏になり、今は何も治療を施してない4番(左上)の知覚過敏で困ってます。

今回も、この知覚過敏のことを考えてしまうことによって痛みが出てるような気がします。もう神経を取りたくないので、全力で治療をしたいと思っていて、左上4番、5番にはコーティングをして、痛み止めも飲んで少しはコントロールできるようになりました。

今は家にあったリリカ75ミリを朝晩、アセトアミノフェンも朝晩200ミリづつ飲んで少し改善してます。ホームページに書いてあったトラムセットとトリプタノールが気になります。こちらの2種類のどちらかの方が効きそうな気がしますが、先生はどちらが私には効くと思いますか?先生の効きそうだという薬を処方してくれる病院を探して(何科でしょうか?)みたいと思っております。
回答1:口腔内科 樋口均也

知覚過敏とのことですが、歯がしみて痛いという感覚なのでしょう。歯の神経に何らかの刺激が加わることによる痛みであると推察しますが、その理由の一つとして考えられるのが食いしばりによる歯への過剰な圧迫です。このような力が加わると、歯の神経(歯髄)や歯の周囲にある歯根膜が圧迫され、血行が悪化する虚血性変化が生じます。過剰な力が弱まると血行が再開されて充血状態となりますが、このような虚血・再灌流による刺激は痛みの原因となります。従って、食いしばりが緩和されると痛みも改善する可能性があります。治療法として習慣逆転法という食いしばりに対する行動変容法の他、マウスピースのような装置を使用するスプリント療法やセレコキシブという消炎鎮痛薬を朝夕2回内服する方法もあります。

さて、ご質問のトリプタノールとトラムセットの優劣については、実際にそれぞれを順番に試してみないとわからないでしょう。論文や学会発表では トリプタノールの方がトラムセットより優先される傾向にあります。このような薬は心療内科、精神科、ペインクリニックで処方が可能ですが、歯の痛みの原因が食いしばりにある場合は歯科でしか治療を受けることができません。
相談2: ( 歳 女性)

お返事ありがとうございます。ではマウスピースによる食い縛りの対応と消炎鎮痛の薬を併用してみます。現在通っている歯医者さんにマウスピースの制作を提案してまます。私の仕事が着物の制作ですので、とても細かい仕事になりますので無意識に食い縛りしている可能性はあります。私の場合、消炎作用のある痛み止めのお薬がかなり鍵になってくると思いました。

心療内科にも通っているので、薬の飲み合わせをふくめてトリプタノール、あるいはトラムセットの処方できるか聞いてみます。今回は神経を取りたくないので、油断せず出来る限りの対応をやってみます。とても勉強になりました。お忙しい中のお返事ありがとうございます。治療頑張ります。

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