2月のCBTを学ぶ会で検討した症例は「全般性不安を合併したパニック症」です。パニック症に対しては心理教育、認知療法、行動療法といろいろありそうですが、行動療法の一種である暴露法(エクスポ―ジャー)が行動にも認知にも効くようです。
今回実施された暴露は、「身体感覚暴露」でした。パニック症ではドキドキしたり、胸が苦しくなったり、手に汗をかいたり、息が止まりそうになったり、ふらついたりします。意識的に息を止めたり、ダッシュを繰り返したりして、このような状態を作り出し、このような体の変化に慣れるようにします。
身体感覚暴露の次に実施されたのが、「イメージエクスポ―ジャー」でした。不安が生じた際に、最悪の状態をイメージしてみます。そして、実際に起こったこととの違いを後で振り返ります。
一般的にパニック症の患者にはパニック症に陥らないようにするために「安全行動」をとるという行動特性が見られます。このような安全駆動は危機回避策として患者が生み出した対処法ですが、パニック症を長引かせて治療の妨げとなる面があります。安全行動をリスト化し、これらの安全行動をあえてとらないようにする「反応妨害法」という行動療法もあります。