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DNAワクチン

論文・記事 2021年07月06日

ワクチンは病原微生物本体や病原体を特徴づける抗原物質(タンパク)でできています。ワクチンを打つと、病原体のタンパクに体が反応して抗体ができ、病原体に対する抵抗力が付きます。
コロナ禍で作られたワクチンは従来型のワクチンとは異なり、ウイルスの持つメッセンジャーRNAをジェルで包んで作成されます。ワクチンを打つとヒトの細胞内に取り込まれ、コロナウイルスに特有のスパイクタンパクを作ります。その結果、スパイクタンパクに対する抗体が作られたり、スパイクタンパクを打ち負かすキラーT細胞が働きやすくなったります。このようにしてコロナウイルスへの防御網が築かれるます。
RNAやDNAを材料としたワクチンは核酸ワクチンといいますが、そのアイデアは1990年に提案されました。しかし、実用化されたのは今回が初めてです。川端教授は歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalisの線毛をコードするマウスのDNAワクチンを作成し、1999年に論文発表しています。日本の製薬会社に製品化を相談しましたが、費用面で目途が立たず、実用化されませんでした。
Kawabata, Shigetada, et al. “Targeted salivary gland immunization with plasmid DNA elicits specific salivary immunoglobulin A and G antibodies and serum immunoglobulin G antibodies in mice.” Infection and immunity 67.11 (1999): 5863-5868.
https://iai.asm.org/content/iai/67/11/5863.full.pdf

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