マレーシア文化
さて最後になりましたが、私が体験したマレーシア文化についてお話したいと思います。マレーシアは、かつての君主国であったイギリスの影響を今なお色濃く残す国でもあります。たとえば、学界の開会式ではバグパイプの演奏に先導されて大会長が入場しますし、1日のうち午前と午後の2回、ティーブレークがあり、紅茶とスコーン、各種スイーツが会場外のフロアに用意され、参加者は自由にお茶を楽しむことができます。本国の他、カナダやオーストラリアなどで見られるこの優雅な慣習は、イギリスがかつて統治したアジアの国々においても広く普及したようです。また、マレーシアでは大学の研究者もイギリスに留学する比率が高いそうです。
私が見たクアラルンプールは西洋文化特有の乾いた気高さとアジアの郷愁、一見相反するその両文化を併せ持った街でした。とりわけ、一番思い出に残っているものが食事です。ブッフェで供された料理を紹介すると、さまざまな種類のカレーの他、中国料理、ローストビーフなどの洋食系、スパイシーなエスニックとまさに百花繚乱。まるで食の万国博覧会の様相を呈し、この国の奥深さと融和性を思い知るに至りました。さて、ここまで読んでくださったみなさま、彼の地マレーシアへ一度行ってみたいと思われませんか。