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歯根破折の予防法

 

歯根破折の防止には、歯の強度を高める、歯にかかる力を弱めるという2つの方法があります。前者はファイバーポストコアの使用と接着法の応用、また後者はオクルーザルスプリントの使用と全部被覆冠の装着連結固定を行う方法です。

  1. ファイバーポストコア
  2. 接着法
  3. 全部被覆冠
  4. オクルーザルスプリント
  5. 連結固定

ファイバーポストコア

ファイバーポストコア
 

歯の神経を抜いた後の空洞への対処として、ポストコアという土台部分を作製して装着し、その上にクラウンをかぶせて歯の形を復元します。通常のケースではポストコアは金属で作製しますが、金属は歯より硬いため歯が破折しやすいのです。

 

そのため歯と同じ硬さのグラスファイバーでできている、ファイバーポストコアが登場しました。たとえ歯にどの方向からどんな力がかかろうと、柔らかいグラスファイバーがしなやかに変形して歯を守ってくれます。

 

接着法

   
 

ポストコアは歯科用セメントを用いて装着します。一般的な歯科用セメントは歯とポストコアの間のわずかな隙間に入りこみ、密閉することによってポストコアを維持する一方、「レジンセメント」ではこの機能に加えて歯とポストコアを化学的に接着させます。こうして歯とポストコアが一体化し、破折しにくくなるのです。

   
 

全部被覆冠

 

全部被覆冠

歯の欠損部分をおおう

 

歯のかぶせ物を作る際、虫歯による歯の欠損部分以外の歯質を削らずに保存する方法があり、なるべく歯質を残すという意味では優れているといえます。しかしながら、歯の全周を削ってかぶせる全部被覆冠と比べると、破折に対する抵抗力が低くなります。従って、歯根破折が懸念される状況では残存歯質の温存にこだわらず、全部被覆冠をかぶせた方がよい場合もあります。

 
 

オクルーザルスプリント

オクルーザルスプリント
 

夜間の歯ぎしりから歯を守るためにオクルーザルスプリントを作製し、就寝中に使用します。レジン製のハードタイプとシリコン製のソフトタイプがあり、後者は歯ぎしりを悪化させる例が報告されているため、ハードタイプのものをお勧めしています。

 

連結固定

連結固定

クラウンを連結して補綴する

 

歯根破折は臼歯の特定部分に過大な力が加わることによって生じるため、多数歯を連結固定するようにクラウンやブリッジを装着することにより、咬合力を分散させて歯根破折を防止することができます。

     

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