歯根破折した歯は抜歯せざるを得ませんが、何とか抜歯を回避するためには破折した歯を元のように接着して補強する、あるいは破折した部分を除去して残存部分を補強するなどの対応が必要となります。しかしながら、このような対応を行っても長持ちしない可能性があります。
破折した部分を接着する方法1 口内法
破折によって生じたスペースに接着性レジンという接着材を流し込み、破折した部分の内側からはさみ込んでくっ付けたあと、再度の破折を防止するためクラウンをかぶせて補強します。
破折した部分を接着する方法2 口外法
一度歯を抜いて接着性レジンで破折した部分をくっ付け、元の場所に戻して周囲の歯と固定します。その後、再度の破折を防止するためクラウンをかぶせて補強します。このように一度歯を抜き、その後元に戻す治療法を意図的再植法といいます。
破折した部分を除去する方法
歯根が破折し大小2片に分かれている場合は、小さい方を除去して大きい方のみを残します。また、破断面が歯肉より低い位置にある部分を露出させてクラウンをかぶせる必要があるため、歯肉と歯槽骨を削り取ります。そのほかに破断面を歯肉より上方に露出させる方向として、歯を引っ張り出す(挺出させる)方法があります。挺出には矯正的挺出と外科的挺出がありますが、前者は歯に矯正器具を取り付けてゴムで引っ張り出す方法、後者は歯を抜いて180°回転させて元に戻し、少し浮き上がった状態にする方法です。