一般的にアレルギーを起こす食品といえばソバや卵、牛乳、カニ、小麦などが知られていますが、これらの食品はいずれもおなかに入ってからアレルギー反応が生じ、蕁麻疹や血圧低下など全身症状が現れます。一方、口腔アレルギー症候群ではフルーツと野菜限定で、症状は口・のどの粘膜に発生するかゆみと腫れのみ、という点が特徴です。
食物アレルギーには2つの種類、つまり原因となる抗原物質がクラスⅠとクラスⅡに分類され、クラスⅠ抗原は腸管、クラスⅡ抗原は気道で反応(感作)が起こります。フルーツや野菜などは、調理や消化によって腸管に到達した時点で既に抗原性が失われているため全身のアレルギー反応は生じず、主に口やのどのみでアレルギー反応が起こるのです。但し口腔アレルギー症候群の原因となる食物であっても、加熱処理を適正に行えば安全に口にすることができる場合もあります。