身体表現性障害とは1980年に米国精神医学会によって名付けられた病名で、体に異常がないにもかかわらず、何らかの症状が出現する幾つかの病気をひとまとめにした総称です。従って、それぞれの症状に応じて疼痛性障害や心気症などの病名が付くため、身体表現性障害という病名を使うことはありません。
米国精神医学会では、表現性障害を次の7つに分類しています(DSM-VI-TR)
- 身体化障害
- 鑑別不能型身体表現性障害
- 転換性障害
- 疼痛性障害
- 心気症
- 身体醜形障害
- 特定不能の身体表現性障害
また、世界保健機構(WHO)による第10回国際疼痛分類(ICD-10)では、次の7つが挙げられています。DSM-VI-TRと似ていますが、転換性障害が外されて別の分類に移動し、身体表現性自律神経機能不全が加えられています。なお、身体醜形障害は心気障害に含まれています。
- 身体化障害
- 鑑別不能型身体表現性障害
- 心気障害
- 身体表現性自律神経機能不全
- 持続性身体表現性疼痛障害
- その他の身体表現性障害
- 身体表現性障害、特定不能のもの
軽度の身体化障害は、鑑別不能型身体表現性障害に分類します。その他の身体表現性障害に含まれる病気には歯ぎしりや心因性嚥下困難、神経性口腔異常などが含まれます。