「えらが張っていて顔が四角い」「痛みがないのに口が開きづらい」というのが咀嚼筋・腱膜過形成症の特徴です。顎の上下運動を行うと動きにくく、前や横であれば正常に動きます。
この病気は咬筋や側頭筋、内側翼突筋など、閉口時に働く筋肉の異常によって生じます。筋肉の腱及び腱膜が異常発達して(過形成)硬くなり、筋肉が伸びなくなるため、口が開かなくなるのです。
治療方法には開口訓練と手術がありますが、通常のケースではまず開口訓練を行います。それでも改善しない場合は、硬化して動きの悪くなった咬筋や側頭筋を骨から切り離す手術を行うと、開口が可能になります。手術法には咬筋腱膜切除術、下顎角形成術、側頭筋腱切離術などがありますが、いずれの術後も開口訓練を継続する必要があります。