舌咽神経痛とは、のどから耳にかけて瞬間的に起こる強烈な痛みをいいます。食事や会話などで口を動かした瞬間、痛みに襲われるため、顎関節症と間違われる場合があります。
痛みは数秒から数分のうちに消失するのが特徴で、普段は痛むことなく生活できます。のどの粘膜を綿棒で突っつくと痛みが誘発され、局所麻酔の注射後に痛みがなくなれば舌咽神経痛と診断されます。
舌咽神経は脳の延髄の舌咽神経核から出て、頭蓋骨の底にある頚静脈孔という穴を通って顔面に入り、のどの周囲に分布するため、のどを動かす側頭筋を支配し、嚥下運動を調節しています。また、耳下腺や顎下腺を支配して唾液の分泌を調整する他、舌の後方の味覚を脳に伝える働きもあります。
舌咽神経痛は頚静脈孔付近で血管が神経を圧迫することによって生じますが、血管以外にも脳腫瘍や脳梗塞、筋肉膿瘍、骨格などの問題で神経に影響が及び、発症するケースがあります。
治療法には神経ブロック、薬物療法(抗けいれん薬、抗うつ薬)、神経減圧術などがあります。