小柴胡湯は、体が丈夫な人が風邪をこじらせた際に飲む薬として約1800年前に開発され、よく似た症状が現れる急性肝炎や胆石症、気管支炎、中耳炎に対しても有効です。
ただし体が弱い人や長期間の使用は禁止されています。1990年代に小柴胡湯の副作用として100名以上の患者が間質性肺炎にかかり、約20名が死亡しました。漢方薬にも副作用が出ることで話題になりましたが、実はこの事件には隠された真実があるのです。
死亡した患者は全員が高齢者で慢性肝炎を患い、2年以上の長期にわたって小柴胡湯を服用していました。言うまでもなく小柴胡湯は体力の衰えた高齢者が飲む薬ではなく、急性肝炎に対して短期間使うことがあっても、慢性肝炎に年単位で使う薬ではないのです。
このように、よく効く漢方薬も使い方を誤ると毒に転じてしまう恐れがあるため注意が必要です。