柴胡剤は柴胡と黄苓が含まれた漢方方剤のグループです。柴胡の薬味は苦と平、黄苓は苦と寒で、黄苓の冷やす働きを柴胡が風を送って助けることにより、半表半裏(内臓)の熱を取ります。柴胡は肝に働く生薬で、柴胡剤は肝の異常から生じる症状に効果を発揮します。
口が苦く、舌の白苔、胸脇苦溝、寒熱往来、食欲不振、悪心、嘔吐がある場合は柴胡剤を服用します。これらは半表半裏の虚熱による症状で、主に上焦(上半身)に現れます。柴胡剤は病邪を中和し、生体のバランスを整えることで作用を発揮します。
虚熱を取るため上焦に水が集まりますが、虚熱を取ると水が余って浮腫が生じてしまうため、柴胡剤には水を捌くための半夏が加えられています。代表方剤は小柴胡湯です。